僕の話はくどいだろう?
「いえいえ、そんなめっそうもない!」
正直に言えよ。
「はあ、まあ少し」
これは職業的なintentional customなんだ。
たとえば僕が君にこの病気の解説と治療方法を説明したとしよう。
君がどこまで理解できるかな?
「50%?」
よくてもな!
ましてや患者さんに説明してどこまで理解できるだろうか?知識としてどこまで浸透するだろうか?
僕は患者さんへの説明の際には医療専門用語は一切使わない。
通常日常生活で使う言葉に置き換えて説明する。
例えば、高齢のおじいちゃんにご家族の方といっしょに患っている病気につき、説明をする。
専門用語を排して、ゆっくりと丁寧に説明する。
うんうんとうなづいて耳を傾けてくれる。
20-30分かけて説明が終わって、ご理解できましたか?何か質問はありますかと問うと、
「ところで私の病気は何なんですか?」
なんて言われちゃうこともある。
がっかりしちゃうよね。
でも、それは自分の説明の仕方が悪いんだと思う。
だから、二回表現を変えて、説明をするようにしているんだ。
二回説明して半分理解してもらえばいいやって思って。
例えば「十二指腸」という言葉。これを知らない医者はいない。
でも患者では十二指腸がなにをどこを意味するかも知らない方はいる。
もちろんそれを非難できるものでもない。
だから、胃内視鏡をするときに患者さんに説明するときは
「胃の奥を診てきますので、少し押されます」
と語りかけるようにしている。
ことほど左様に、相手の理解度に気にかけながら、説明を違う表現で二回繰り返して話をするのが僕の職業上の癖。
だから、くどくなる。
裏を返せば、君らを患者さんと同じレベルで話しているということなんだけどな!
早く一回の説明ですむぐらいに成長してくれよ!