Home人生の指南役 指導医の役割 ―研修医の教育を通して―『早く診る医者、ゆっくり診る医者』

【早く診る医者、ゆっくり診る医者】

今日も患者さんが多かったよな。
疲れたよ。
「御苦労さま」
でも、3分間診療をしていた訳ではないのはわかるだろう?
「はい」
患者さんも僕の診察を待っていてくれるのだから、それに応えたいという気持ちで診察をしている。
電子カルテを検索して、最終検査はいつかを確認する。
採血、胃内視鏡、腹部超音波、大腸内視鏡、腹部CT。
ときに関連する診療科にconsultation。
過不足のない診療を心がけている。
だってそりゃあ、自分がかかるときはゆっくり話を聞いてもらって、じっくりと診察してもらった方がいいに決まっている。
自分が受けたい診療をしてあげるのが、医師としての良心だろう?
でも、いろいろな病院で働くと、いろんな医者に出逢う。
優秀な医者もいれば、まったくの無能な医者もいる。
ほどほどの仕事はできるが、あまり働きたくない医者もいるんだよな。
外来をしているとそれがよくわかる。
だらだらと時間稼ぎの診察をする医者もいるんだよ。
だって、患者さんを多く診ると、看護師が「先生は診察が早いから、この方も診て下さい」っていつの間にかカルテが増えちゃうんだよね。
それを逆手にとって、ゆっくり診れば、カルテが多くても、誰かがカルテを持って行ってくれると計算してしまうような悪賢い医師もいるのさ。周りからはバレバレで、信頼もなくしてしまうのだけれどね。
少なくともうちの病院にはそういう医者はいないよ。
日本の診療は3時間待ちの3分間診療とはいわれるけど、それはあくまでも継続診療の方。
状態が安定していて、採血の確認やいつもと同様の処方をするだけで大丈夫とい方を対象としている。
でもそういう方はたいてい30分から一時間待ちぐらいですぐに診察ができるようにはしているんだけどね。
初診の方は問診から診察、検査をしてその結果説明そうすると、診察で30分、結果待ちまでは1〜2時間待ちにはなってしまう。
先の手抜きの医者は継続診療の患者さんを必要以上に丁寧に診察して、時間稼ぎをする。
だから、新患は診れないという。言い訳が上手なのさ。
そういう医者には診てもらいたくないだろう?教わりたくはないだろう?
君ら研修医には指導医を見抜く力も必要なのさ。

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