僕の出身は自治医大なので、卒業後にへき地医療をしなければならなかった。
よく僻地は大変でしょ?って言われることが多いんだけど、僕らはそれを望んでこの仕事を選んだし、実際やってみると楽しいもんなんだけど、経験のない人にはよくわからないらしい。
僕らの頃は研修制度はなかったが、僕は他科ローテーションさせてもらった。四年目には一人の診療所で赤ちゃんの健診から、肺炎、胃潰瘍、心筋梗塞、癌の患者さん、お年寄りまですべての医療行為に携わらなければならないと思っていた。だから、自分の医師としての年次ごとの到達目標を常に意識しながら研鑽してきた。
一年目では基本的な診療ができる。患者さんとのcommunicationがはかれる。超音波検査が自分でできる。胃内視鏡検査が概ねできるようになる。二年目では胃や大腸のバリウムの撮影と読影ができるようになる。大腸内視鏡ができるようになる。三年目では胃や大腸の内視鏡的polyp切除ができる。CTの診断ができる。このような目標を常に意識しながら、自分に未熟なところや足りないところ補足できるように研修してきた。
一年後の自分、二年三年後の自分をイメージして研修を重ねることで具体的な目標を考えることができるようになるのさ。
ことほど左様にGoalを先にimageする方が、ことは成就しやすい。
何かをしようと努力する時に、「いつかは」と考えていたら、たぶんそれは実現しない。
いつまでにどのような形でと考えることで、自分のしなければならないことが見えてくるのさ。
越えなければならないハードルが見えてくるのさ。
多くの人はそのハードルが見えないから、やっぱりだめだと諦めてしまうのさ。
まずはそのハードルを可視化することが先決で、次にそのハードルをどのように攻略するのかを考える。手を変え品を変えながら、打ち勝とうと努力する。実はその努力こそ人を最大限に伸ばすコツであることが自分でも理解できるはずだ。従って、たとえGoalに行きつかなかったとしても、次に別なGoalを設定して、頑張ると意外にあっさりできてしまうことがある。でもそれは問題が簡単なのではなく、その前に努力して自分のlevelが上がったからできることなのだ。最初にその問題に当たっていたならば、もしかしたら諦めていたかもしれない。
青年老い易く学成り難し。
人生なんてあっという間に過ぎてしまうものさ。
どれくらい濃密な人生を送れるのか。
その思いを込めて一日を過ごすこと。
40までにできることやらなければならないこと。30までに・・・。
人生を逆算することで見えてくるものがあるはずだ。
日々を怠惰に流されて生きていくと、それなりの人間にしかなれないのさ。
自分を高めたいと思うなら、人生に目標を持つこと!
「はい」