【価値観】

このデータをまとめて、次の学会で発表してくれるかい?

「・・・はい、わかりました」
いやなのかい?
「え?いえそんなことないです」
やだなあって顔に書いてあるよ。消しゴムで消しておこうか?
「すいません。わかりますか」
いやならやらなくてもいいんだよ。大人になるってことはきちんと意思表示をすることでもあるんだから。
でも、僕が君にこれを頼んでいるのは僕が楽をしたいからではない。このようなデータ整理をすることはいつか必ず、君の役に立つと思っているからなんだ。医師として仕事をするということは患者さんを診察することだけではない。大切なことを学会で発表したり論文を書くことも我々の大切な使命なんだ。その時にこのようなデータ整理や発表の仕方は必ず、君の役に立つはずなんだ。

ある物事を仕方なくすることと、自分をinspireしてくれる仕事だと思って前向きに取り組むのとどちらがいいと思う。
「そりゃあ前向きな方がいいですよね」
だろう?同じ仕事をするんなら、楽しくやりゃあいいじゃん。だから、君が悩むべきはこの仕事を引き受けるかどうかだけなんだ。引き受けるとなれば、あとは「おもしろい」「こんな名誉なことはない」と思ってひたすらがむしゃらに取り組むことだけさ。だから僕は君にさっき説明したように、この仕事はきっと医学の発展に役立つはずさと君をたきつけているのさ。それを信じるのも信じないのも君の自由。もしかしたら僕が間違っているかもしれないしね。
物事って存在自体が変わるわけではない。人の考え方や捉え方が違うだけなんだ。Negativeな考え方よりもpositiveな考え方の方がいいと思わないかい。目の前にあることを避けて通るもよし、逃げるもよし、それを乗り越えるもよし。でも、それを乗り越えることで今まで自分にできなかったことができるようになる。
それは例えば眼の前に大きな山がある。とても登れないと思ったけど、登りきった時に振り返るとふもとの小さな自分を見るようなものかもしれないね。
それほど極端ではないけれど、少なくともひとつ階段を昇ことにはなる。階段を昇るのか、坂を上るのか、平坦な道を歩くのか、それは個人の自身の人生に対する考え方次第だよね。言い換えれば30-40になったときに今の自分とさして変わらない自分がいたときに自分に満足できるかという問題さ。
さあ、君はこのデータを受け取るかい?

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