今日は産業医の職場訪問の日なので夕方はちょっと早めに上がるから。
「先生は産業医だったんですか」
言ってなかったかな。
ライセンスを取得するのは難しくないが、維持するのが結構大変なんだけどね。
活動を始めたのは最近なんだけど、月一回職場訪問して過重労働の方と面談をしているんだ。
対象は残業時間が月100時間を越えた方の健康相談が中心。
働きすぎは健康を害しますなんてことを言って業務改善を経営側に報告書を出すんだ。
偉そうなことを言ってる僕なんかの残業は月200時間は越えちゃうんだけどね。
あんまり頑張りすぎるとBurn out syndromeになっちゃうよって言ってるんだけど、半分は自分にも言い聞かせている気がする。
でも、その会社では昨年30歳の方が、心筋梗塞で亡くなっているらしいんだ。
BMIは30を越えていて、メタボだったらしいんだけど。
若い方を失うのは家族だけではなく、会社や社会にとっても大きな損失でしょ。
そういう人を事前にcheckして、健康な状態で仕事に励んでもらうのが産業医の勤め。
要は病院へ行く前の段階で何らかの改善策を講じることが目標さ。
具体的には健康診断の実施とその結果に基づく措置、作業環境の管理と改善、作業の管理、月一回の職場巡視など。
要は職場で心筋梗塞で倒れると一見労務上の災害ではないように思えても、ストレスが加わる労働により、疾病に罹患したという解釈で労働災害扱いになるのさ。もともと基礎疾患があったための疾病で、それがたまたま労務中に発症したという場合だね。厚生労働省はこのような「本来の労災扱いではない疾病」を別に予防という形で対処しなければいけないと考えた。そこで現場で指導する産業医を普及させることになったんだ。労災と病気を切り離したということかな。もっともな話だけどね。
さあ時間だ、行ってくる。
あとはよろしく、また明日。