Home人生の指南役 指導医の役割 ―研修医の教育を通して―『人間は出逢った以上の人間にはなれない』

【人間は出逢った以上の人間にはなれない】

君は今まで「この人はすごい」っていう人に出会ったことはあるかい?

「え?いきなりそういわれても・・・」
人間っては最初から完成されてはいない。どんなに優秀な人材でもすべてに秀でているわけではないんだ。一方ある部分で誰にも負けないっていう能力の持ち主もいっぱいいる。それが知識であったり、技術であったり、ときにはこころであったりもする。やさしさや包容力、リーダーシップ、快活さや癒しなんかかもしれない。
ひとは自分にないそういう能力に接したときに、自分の未熟さを痛感し、切望することがある。井の中の蛙であることに気づくのさ。卑下する必要はないけどね。そして、その人に近づきたいと努力する時、人は少しづつ成長してゆく。だから、多くの人に、いろいろな価値観を持つ人々に出逢うことが自分を成長させることにつながるのさ。

僕は今まで多くの「とてもじゃないけどかなわない」人に会ってきている。その時は圧倒されるのだけれど、とてもexcitingだよね。こんな考え、能力の持ち主に出会えたことがうれしい。そして、すこしでも彼らに近づきたいと思う。逆に彼らに会わなければ、今の自分は発展性のない矮小な人間であったのではないかとも思ってしまう。今でも発展途上ではあるけれど。
だから、好奇心旺盛な僕はいろいろな人との出逢いを今でも求め続けている。僕は今ある自分に満足できていない。「あすなろ」というか、もっと成長できないと満足できない自分が心の中にいるんだ。
例えば僕の内視鏡検査はそういう多くの先輩から少しづつ受け継いできて、今の技術を継承している。
研修医の頃、こわい先生がいた。独特な雰囲気があって近寄りがたかった。でも内視鏡が上手くて、患者さんにもとても人気があった。普段の仕事と患者さんに対する内視鏡検査のGapが不思議だった。検査が終わると患者さんは来年も先生に検査をしてもらうと言って帰った。僕はその先生の技術を盗もうとしたよ。内視鏡画面は見ないで、channel操作をずっと見て技術の習得をした。他の先生の患者さんへの検査の説明の仕方も頂いた。
だから僕の内視鏡検査のstyleは多くの先生の「いいとこどり」で形成されている。教科書だけでは補えない経験を「いい先生」との出会いから吸収するのさ。
技術だけではなく、考え方もそうだよ。自分の見かたや考え方というのは最初のうちはどうしても視野が狭い。それを広くしてゆくのはやはり出会いだよ。それが人でも本でもいいと思うんだ。自分にないものを吸収してゆく姿勢は必要なのさ。

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