【人の二倍働け】

医者になりたての頃に先輩から言われた言葉なんだけどね。

その時は僕もできるのかなって思ったよ。
君は同期の二倍働いているかい?
「人並です。」
ひとの倍働いて、はじめて傍から頑張っていると認めてもらえる。先輩と比べるのではないよ。同期と比べるのでもない。普段の自分と比べるのさ。人は楽をしたくなるもの。怠けたくなる。そのとき尻に鞭打ってがんばろう、普通にする仕事の倍がんばろうと考えるのさ。最初のうちはたいへんだけど、それが2年、3年、5年と継続すればそれが慣れてきて、大変ではなくなる。だから、5年間は死ぬ気でがんばれ。そうすると、それが当たり前になる。背伸びしなくても仕事ができるようになる。
一方、5年間マイペースで仕事をして、6年目から頑張ろうと思っても、できないんだ。人間っていうのは、一度楽をしてしまうとmotivationを高めることはできないってさ。
どれくらい違うかって?そりゃ最初のうちは頑張った人も、頑張らなかった人も差はあまりわからない。でも、10年20年たつとその差は歴然だよ。尺度があるわけではないし、比較するべきものでもないけどね。
でも、大切なことは、「これくらいでいいやって」自分に枠をはめちゃうと、それ以上伸びられないんだよね。「あすなろ」って知っている?井上靖の「あすなろ物語」で読んだんだけど、あすなろは漢字で翌檜と書き、檜(ひのき)に似た木なんだけど、檜のように大きくはなれず、いつも「明日は檜になろう」と思っているというのです。
檜にはなれなくてもなろうと思う気持ちが大切なんだと思うんだよね。
「困る」って漢字の成り立ちを知っているかい?
「えー、そんなの知らないっすよ」
小学校3年生の時教わって溜飲が下がる思いをしたのを今でも覚えているんだ。
周りの四角は家。家の中で木を育てると大きくなって困るというところから出来た漢字なんだ。君が自身の枠を先に囲ってしまうと、その中だけでしか成長できない。それは困るのは誰だろうか?
ひとは未知の可能性を秘めているはずなんだ。
中には自分にはできないと、はなっからあきらめている人もいるかもしれない。その力を発揮できず燻っている人もいるかもしれない。でもやればできることもあるんだよ。自分の可能性を信じてやれよ。君の能力を一番信じられるのは、君自身なのだから。

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