【内視鏡はおいしい】

胃内視鏡は初めてだったんだろう?

おいしかったかい?でもそんなにつらくないだろう?
「はい、全然。もう一回やってもいいです」
じゃあもう一回やるか?
「・・・あの、じゃあ来月に」
やらなくてもいいよ!今日は患者さんの気持ちを理解してもらうために胃カメラを飲んでもらっただけだから。
内視鏡は消化器内科医にとっては「検査」ではなく「診察」なんだよ。循環器医にとって普段の診療に聴診器で診療するように、我々にとっては内視鏡で「診察」をするわけだ。
皮膚科の先生は皮膚を診て診察を皮膚疾患の診察をして、それに合った薬を出すだろう?
「湿疹を診て下さい」と言って、皮膚科の先生が皮膚も見ずに薬だけ出したら、それはヤブ医者だろう?
「胃が痛い」と言ってきた患者さんに、お腹をさわって、「この薬が効きますよ」っていう医者がいたとしたら、やはりそれもヤブだよな!
僕らは薬屋じゃないんだよ。薬を渡すのが仕事なんじゃなくて、診断し、治すことが仕事なんだよ。だから内視鏡をする。それもつらくない内視鏡をすることが大切なんだよ。

たとえばある医師が患者さんに「つらい」内視鏡をしたとしよう。患者さんはつらくて、もう死んでも胃カメラは受けないと言って帰ったとする。その患者さんが5年経って、げっそり痩せて食事ができないと言って病院へ来る。そして胃がんが見つかったとしたら、どうする?はたして病院へ来なかった患者さんがわるいのだろうか?
「前の胃内視鏡がTraumaになったんじゃないですか?」
そうだろう、本当は胃内視鏡をつらくさせた医者が悪いんだと思わないか?
その医師が患者さんや家族から訴えられることはないだろう。でも、内視鏡は一見さん相手の刹那的な検査ではない。毎年気軽に受けてもらえるものでなくてはならないんだ。
指導医は研修医に知識を教えるのではない。伸ばす方向を誘導するだけなんだ。
今の研修医制度の中では医療はそう大きくは変わらない。医療の専門性に加え、generalに診れる医者が多く輩出しなければいけないんだ。こころを診れる医者を育てなければいけないんだ。
僕らは内視鏡を通して、患者のこころを診ることを研修医に教えていきたいと思っている。

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